2022年08月03日

冷し飴

京都の東寺を訪ねた折、境内の小さな茶房に「冷し飴」と貼り紙があったので、
それを頼んでみた。
窓口で受け取り、木陰の赤い毛氈の敷かれた床几の上に置いて飲む。
ストローで氷をかき混ぜると涼しげな音がして生姜の香りがとても良い。
風が心地よく汗がスーッと引いて行く。
飲み終わったコップをお盆にのせて返しに行くと「おおきに」と柔らかな声が響いた。
暑さに少しぐったりしていたが、甘く冷たい冷し飴と店員さんのその声に励まされ、
さあ元気を出して駅まで戻ろうという気になった。
緑蔭と一杯の冷し飴でなんと心が豊かになることか。
いくつもの夏の季語を肌で感じたひとときであった。

(編集部 順子)


posted by 鳰の子俳句会 at 15:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 編集部より | 更新情報をチェックする