昨日は節分でした。
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2025年02月03日
2024年08月26日
2023年09月22日
最近の主宰句より
主宰 近作
(鳰の子61号より)
東より西より句友薔薇の風
鳰の子の浮くたび知恵のついてをり
のうぜんを散らしたるまま引越しぬ
疑ひを知らず尺蠖尺を取る
取りこんですぐに着るシャツ夏旺ん
涼しくてけふの仕事は終はりとす
(鳰の子61号より)
東より西より句友薔薇の風
鳰の子の浮くたび知恵のついてをり
のうぜんを散らしたるまま引越しぬ
疑ひを知らず尺蠖尺を取る
取りこんですぐに着るシャツ夏旺ん
涼しくてけふの仕事は終はりとす
2023年04月04日
最近の主宰句より
主宰 近作
(鳰の子59号より)
人の輪と和を宝とす福寿草
柊挿すつねは使はぬ裏口に
大干潟ミサゴは岩になりすます
海光を招くはさみや汐まねき
引き潮を引き戻さむと汐まねき
高みよりパントマイムの波遅日
着水の音の派手なる残り鴨
残りたる白鳥一羽照りはゆる
啓蟄や太陽の塔前のめり
二度染めの色かと思ふ濃紅梅
(鳰の子59号より)
人の輪と和を宝とす福寿草
柊挿すつねは使はぬ裏口に
大干潟ミサゴは岩になりすます
海光を招くはさみや汐まねき
引き潮を引き戻さむと汐まねき
高みよりパントマイムの波遅日
着水の音の派手なる残り鴨
残りたる白鳥一羽照りはゆる
啓蟄や太陽の塔前のめり
二度染めの色かと思ふ濃紅梅
2023年01月31日
最近の主宰句より
主宰 近作
(鳰の子58号より)
松迎へ赤きそよごの一枝も
父のあと犬の蹤きゆく松迎へ
神馬食む上賀茂産の人参を
茎漬や土間に重石の丸四角
荒縄でゆはへる重石酢茎漬く
(鳰の子58号より)
松迎へ赤きそよごの一枝も
父のあと犬の蹤きゆく松迎へ
神馬食む上賀茂産の人参を
茎漬や土間に重石の丸四角
荒縄でゆはへる重石酢茎漬く
2022年11月28日
最近の主宰句より
主宰 近作
(鳰の子57号より)
待つほどもなくバス来たる良夜かな
でこぼこに空を突くビル天高し
毒茸と汝は呼ばれて美しく
騎馬隊の葦毛栗毛の馬肥ゆる
爽やかに鼻筋白き駿馬かな
鴨来たる宝ヶ池へまつすぐに
(鳰の子57号より)
待つほどもなくバス来たる良夜かな
でこぼこに空を突くビル天高し
毒茸と汝は呼ばれて美しく
騎馬隊の葦毛栗毛の馬肥ゆる
爽やかに鼻筋白き駿馬かな
鴨来たる宝ヶ池へまつすぐに
2022年10月28日
最近の主宰句より
主宰 近作
(鳰の子56号より)
袋角しきりに首を振つてをり
また雨を孕む風なり蚊遣香
休ませてやりたき風の日の風鈴
斜めからまづ攻め来たる夕立かな
国宝の軒に夕立やりすごす
涼み舟月を崩して進みけり
藻の花や薬缶をひたし菜を洗ひ
(鳰の子56号より)
袋角しきりに首を振つてをり
また雨を孕む風なり蚊遣香
休ませてやりたき風の日の風鈴
斜めからまづ攻め来たる夕立かな
国宝の軒に夕立やりすごす
涼み舟月を崩して進みけり
藻の花や薬缶をひたし菜を洗ひ
2022年08月25日
最近の主宰句より
主宰 近作
(「俳壇」9月号より)
蝮草
藻の花や薬缶をひたし菜を洗ひ
今日のこと明日に回さず日日草
蝮草招くあたりは行くまいぞ
雨粒とまがふあめんぼ跳ねてをり
落とし文ひとつほどけて小倉山
(「俳壇」9月号より)
蝮草
藻の花や薬缶をひたし菜を洗ひ
今日のこと明日に回さず日日草
蝮草招くあたりは行くまいぞ
雨粒とまがふあめんぼ跳ねてをり
落とし文ひとつほどけて小倉山
2022年08月03日
最近の主宰句より
主宰 近作
(鳰の子55号より)
どの人も順路に素直花菖蒲
明石より淡路へ皐月波高し
目つぶしのごとき木漏日バードデー
紫の花の屑踏む業平忌
蚊を払ひ蚊を打つばかり無聊の手
(鳰の子55号より)
どの人も順路に素直花菖蒲
明石より淡路へ皐月波高し
目つぶしのごとき木漏日バードデー
紫の花の屑踏む業平忌
蚊を払ひ蚊を打つばかり無聊の手
2022年07月20日
最近の主宰句より
主宰 近作
(鳰の子54号より)
花の吉野 柴田多鶴子
うぐひすの声せりあがる吉野建
ひんがしにくれなゐ差して囀れり
明星の光を放つ御開帳
花冷の人影のなき行在所
やはらかき仲居のことば花月夜
朝ざくら黒髪きゆつと束ねたる
バス停の簡単な屋根つばくらめ
夕つばめ畑の人をまた掠め
谷あひの畑の人影霜くすべ
外つ国のやうな対岸夕永し
蝶つれてゆく密教の大門へ
裏門にたまる小石と花屑と
行く春やゆつくりたどるのぼり坂
眼差しはつねになかぞら蝶の昼
連翹や日はなかなかに傾かず
不規則に並ぶ飛石目借時
足元に水の湧き出す九輪草
あめんぼう水凹ませる気はなくて
旧館のフランス窓や緑さす
若葉雨添水の音の加はりぬ
(鳰の子54号より)
花の吉野 柴田多鶴子
うぐひすの声せりあがる吉野建
ひんがしにくれなゐ差して囀れり
明星の光を放つ御開帳
花冷の人影のなき行在所
やはらかき仲居のことば花月夜
朝ざくら黒髪きゆつと束ねたる
バス停の簡単な屋根つばくらめ
夕つばめ畑の人をまた掠め
谷あひの畑の人影霜くすべ
外つ国のやうな対岸夕永し
蝶つれてゆく密教の大門へ
裏門にたまる小石と花屑と
行く春やゆつくりたどるのぼり坂
眼差しはつねになかぞら蝶の昼
連翹や日はなかなかに傾かず
不規則に並ぶ飛石目借時
足元に水の湧き出す九輪草
あめんぼう水凹ませる気はなくて
旧館のフランス窓や緑さす
若葉雨添水の音の加はりぬ
2022年03月19日
2022年01月08日
最近の主宰句より
最近の主宰句より
京都動物園 四句
青北風や猿は互ひに毛づくろふ
冷やかに身を折り畳む檻の蛇
はんざきの赤子のごとき指持てる
天高してつぺんにゐる猿のボス
京都動物園 四句
青北風や猿は互ひに毛づくろふ
冷やかに身を折り畳む檻の蛇
はんざきの赤子のごとき指持てる
天高してつぺんにゐる猿のボス
2021年10月29日
最近の主宰句より
最近の主宰句より
父の忌の規則正しき鉦叩
神苑に裏門のあり草の花
栃の実やくづれやすきは山の空
木の葉髪わきめもふらず生きて来し
裏切りはいにしへよりぞ烏瓜
解夏の僧翅あるやうにすれちがふ
おとがひの尖ってをりぬ解夏の僧
夕暮れはかの世のごとき花野かな
百選の水と知りてか秋の蝶
新豆腐いま絞りたて生まれたて
父の忌の規則正しき鉦叩
神苑に裏門のあり草の花
栃の実やくづれやすきは山の空
木の葉髪わきめもふらず生きて来し
裏切りはいにしへよりぞ烏瓜
解夏の僧翅あるやうにすれちがふ
おとがひの尖ってをりぬ解夏の僧
夕暮れはかの世のごとき花野かな
百選の水と知りてか秋の蝶
新豆腐いま絞りたて生まれたて
2021年09月17日
最近の主宰句より
最近の主宰句より
「鳰の子」十周年 三句
鳰の子の朝日が好きで巣を出づる
明日といふ近き未来よ鳰の子に
波の綺羅まとひ沖行く船涼し
ほうたるの手相みるかに掌を照らす
蛍籠置きし夜の夢あをからむ
「鳰の子」十周年 三句
鳰の子の朝日が好きで巣を出づる
明日といふ近き未来よ鳰の子に
波の綺羅まとひ沖行く船涼し
ほうたるの手相みるかに掌を照らす
蛍籠置きし夜の夢あをからむ
2021年07月17日
最近の主宰句より
最近の主宰句より
花冷や両手に包むマグカップ
囀や艇庫大きく開かれて
先代のことなどぽつり春火鉢
ひと呼吸あとは一気に剪定す
孕鹿目と目のあはひ雨が降る
行く春や念珠の房の縹色
鍵かけぬ里の日常粽結ふ
花冷や両手に包むマグカップ
囀や艇庫大きく開かれて
先代のことなどぽつり春火鉢
ひと呼吸あとは一気に剪定す
孕鹿目と目のあはひ雨が降る
行く春や念珠の房の縹色
鍵かけぬ里の日常粽結ふ
2021年03月07日
最近の主宰句より
最近の主宰句より
生国の空ひろびろと木守柿
大き葉はすでに深手よ破芭蕉
海近くなり大人しき冬の河
三島忌の一枚落ちて大きな葉
つまづけば基本を復習ふ初稽古
天井を湯気が舐めゆく福沸し
やはらかく手首をつかふ小松引
スピーチの起承転結金屏風
北風の星磨く夜や弔問す
夕照の消えゆく湖辺雪ぼたる
山眠る獣の匂ひ封印し
生国の空ひろびろと木守柿
大き葉はすでに深手よ破芭蕉
海近くなり大人しき冬の河
三島忌の一枚落ちて大きな葉
つまづけば基本を復習ふ初稽古
天井を湯気が舐めゆく福沸し
やはらかく手首をつかふ小松引
スピーチの起承転結金屏風
北風の星磨く夜や弔問す
夕照の消えゆく湖辺雪ぼたる
山眠る獣の匂ひ封印し
2021年01月23日
最近の主宰句より
最近の主宰句より
雨あとの日はあはあはと初もみぢ
都合よき風来てこぼす芋の露
七草のことに鷹の羽すすきかな
をみなへしには強すぎるこの日差し
梢に見し色鳥ついと水辺に来
繕ひの一カ所青き下り簗
鵙の贄脳が憶えてゐる痛み
Tシャツで林檎をぬぐひ丸齧り
秋燕忌みぢかき旅の繰り返し
楡の木は瘤を大事に冬に入る
からつぽの馬小屋に錠神の旅
返り花その香に力ありにけり
ふいに来る十一月の蛇の目蝶
雨あとの日はあはあはと初もみぢ
都合よき風来てこぼす芋の露
七草のことに鷹の羽すすきかな
をみなへしには強すぎるこの日差し
梢に見し色鳥ついと水辺に来
繕ひの一カ所青き下り簗
鵙の贄脳が憶えてゐる痛み
Tシャツで林檎をぬぐひ丸齧り
秋燕忌みぢかき旅の繰り返し
楡の木は瘤を大事に冬に入る
からつぽの馬小屋に錠神の旅
返り花その香に力ありにけり
ふいに来る十一月の蛇の目蝶
2020年11月30日
最近の主宰句より
最近の主宰句より
初紅葉山気に肌のひきしまる
狛犬にさしのべし枝初もみぢ
秋なれや色変へる木も変へぬ木も
山陰に小さき集落楤の花
きりぎしに祠建てられ鵙の声
鳥よけの貝光る屋根豊の秋
こぼれ萩踏んで石階あと少し
牛馬居ぬ曲家なれば火の恋し
紅葉且つ散りて大きな鯉の口
水琴を聞きみくじ引き秋惜しむ
秋風や角屋に車争ひ図
爽涼の青貝づくし螺鈿の間
京の路地抜けてまた路地冷し飴
爪立てて句座に匂はす青みかん
初紅葉山気に肌のひきしまる
狛犬にさしのべし枝初もみぢ
秋なれや色変へる木も変へぬ木も
山陰に小さき集落楤の花
きりぎしに祠建てられ鵙の声
鳥よけの貝光る屋根豊の秋
こぼれ萩踏んで石階あと少し
牛馬居ぬ曲家なれば火の恋し
紅葉且つ散りて大きな鯉の口
水琴を聞きみくじ引き秋惜しむ
秋風や角屋に車争ひ図
爽涼の青貝づくし螺鈿の間
京の路地抜けてまた路地冷し飴
爪立てて句座に匂はす青みかん
2020年09月28日
最近の主宰句より
最近の主宰句より
日焼子を抱く父もつと日焼して
正面に築山を置く涼しさよ
形代や穢れ移されてもま白
風入れや並べ干したり磨いたり
日の光とどく一点滴れる
神木の洞の暗さも晩夏なる
土用波岸に蘇鉄のうづくまる
半夏生帆柱はみな降ろされて
小さき滝はべらせしぶく男滝かな
北山の入道雲が御所覆ふ
青葉木菟御苑の闇はなめらかに
日焼子を抱く父もつと日焼して
正面に築山を置く涼しさよ
形代や穢れ移されてもま白
風入れや並べ干したり磨いたり
日の光とどく一点滴れる
神木の洞の暗さも晩夏なる
土用波岸に蘇鉄のうづくまる
半夏生帆柱はみな降ろされて
小さき滝はべらせしぶく男滝かな
北山の入道雲が御所覆ふ
青葉木菟御苑の闇はなめらかに
2020年06月01日
最近の主宰句より
最近の主宰句より
風なくて散り風来れば花吹雪
鳩の後雀つきゆく仏生会
をさなごの背丈に置かれ甘茶杓
忘られし上着が柵に蝶の昼
君たちに未来は展く今年竹
眠るには空蒼すぎて花海棠
竹籠に今日摘みしもの畦青む
ペラペラのスリッパ並ぶ御開帳
金鳳花鏡びかりの水たまり
風なくて散り風来れば花吹雪
鳩の後雀つきゆく仏生会
をさなごの背丈に置かれ甘茶杓
忘られし上着が柵に蝶の昼
君たちに未来は展く今年竹
眠るには空蒼すぎて花海棠
竹籠に今日摘みしもの畦青む
ペラペラのスリッパ並ぶ御開帳
金鳳花鏡びかりの水たまり